【評価】「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」任天堂のオープンワールドの中でも最高傑作

『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』は、WiiUで任天堂が発売する最後のゲーム、そしてNintendo Switchのローンチタイトルとして発売された。

 

このゲームを作る際に開発陣が掲げていた目標は、「ゼルダの当たり前を見直す」とのことで、発売日詐欺を何度かしながらも、良い意味で俺たちの期待を裏切ってくれた。

ワイルドな戦闘を味わえ

BotWは、100年もの眠りから目覚めた所から長い冒険がスタートする。プレイヤーが操作方法に少し触れたところで、謎の声に導かれる。そして謎のタワーを起動したら、ラスボスの厄災ガノンの存在をゼルダ姫に伝えられ、ゼルダ姫とハイラル王国を救うための冒険が始まる。

こんな感じでストーリーに触れたが、別に世界を救わなくても十分に楽しめる自由度がある。そのため、未だにゼルダ姫がハイラル城で待っているという方も少なくはないだろう。

 

だが、こんな無視できるストーリーよりも気になるのはアクションだろう。BotWのアクションは、何といってもワイルドだ。タイトルに「ワイルド」と入れるだけあるなぁと感じるほど。

 

まず、主人公のリンクは最初はパンイチで、100年の眠りから覚めた時にゲットした「シーカーストーン」しか持っていない。つまり、ただの変態なのだ。もちろんこれじゃあ魔物を倒すことは出来ない。

 

そのため、BotWでは武器を自分で探す必要がある。しかも、プレイヤーがまだ操作に慣れていない時の誘導の仕方も面白く、最初はめっちゃ弱い「木の枝」が落ちていて、次に「木こりのオノ」という変わり様。そこで初めての戦闘が起きるわけだ。

 

マップはオープンワールドのため、下手すれば何匹もの魔物に囲まれかねない。しかし、BotWでは敵の攻撃をギリギリで避けるとスローモーション状態になる。スローモーションの時は周りの時間はゆっくりになるが、リンクだけは普段のスピード、いや、普段以上のスピードになるため、怒涛のラッシュを決めることが出来る。

このスローモーションは、敵の攻撃を避ける以外にも、空中で弓を構えた時にも発生する。この機能自体は初心者に配慮したものだと思うが、慣れてくると意図的にスローモーションを発生させて有利な状況を作ることもできる。

 

さらに、武器の種類はかなり豊富なため、それぞれ使い方が全く違うこともある。最初は、勇者らしい剣などの標準的な武器をゲットしやすいが、探索していくうちに魔法の杖らしきものを拾えたり、シリーズお馴染みの「マスターソード」を使えるようになる。

 

武器で攻撃する以外にも、BotWは物理演算にもかなりこだわっているため、岩を転がして崖の下にいる魔物に当てて即死させたり、焚火の火で矢を燃やして爆弾に当て、爆発させることだってできる。

 

これまでの戦闘では敵の隙をついて剣を振るだけだったが、BotWで、その当たり前の戦闘法が進化した。

 

多少魔物にとっては理不尽な戦闘の仕方も多いが、流石ゼルダ開発者。「ズルいっていうような勝ち方を見つけることが楽しければ、それはユーザーにとっては楽しい体験になるので、OKとしよう。」と、発言している。これこそ、長年戦闘を研究してきた開発者の答えなのだろう。

とはいえ、自由度が増した分、操作はより複雑になったため、シリーズ初心者にとってとっつきにくくなったのは確かだ。だが、絶対に初心者でも楽しめるように工夫がこなされているのも確かなのだ。

 

操作に関しては当たり前を見直したという部分はあまり無いため、シリーズ経験者からしたら嬉しい。けれど、今までシリーズの中で出番が少なかった十字キーには新たな機能が振られ、戦闘時でも瞬時にリンクの装備を切り替えられるようになった。

 

『DMC』の様に、ゼルダの伝説も「スタイリッシュな戦い」を目指しているのではないだろうか。*1

 

シリーズ未経験者でも熱くなるであろうストーリー

ゼルダの伝説は、アクションありきで濃厚なストーリーが展開される。この部分をさらに掘ると時系列の問題に絡んでくるのだが、複雑すぎるため、その話は置いておこう。

BotWのストーリーは、今まで以上に人間関係が細かく描かれていると感じた。厄災ガノンと戦う時に手助けをしてくれる四人の「英傑」という重要な人物がいるのだが、それぞれ個性的であって、リンクとの人間関係も考え深いものがある。

 

例えば、英傑の一人であり、鳥の様な翼で大空を飛べるリト族の「リーバル」。彼はリンクがゼルダ姫の護衛ということに嫉妬しているのだが、ストーリーを進めると、次第にリンクの実力に気づき始める。いや、元々気づいていたものの、自分の中では認められなかったのかもしれない。プレイヤーからしたら少しウザい存在でもあったが、開発者は、なんとか愛らしく思えるように改良したとか。

あとは、同じく英傑の一人であり、水の中を縦横無尽に駆け巡れるゾーラ族の「ミファー」。彼女はリンクに恋をしていたのだが、100年前の戦いで命を落としてしまった。魂だけの存在になってしまった今も、リンクの事を想っているらしく、会話中でもその想いがちょいちょい感じ取れる。

結構長文になったので興味ある人だけ目を通してくれればいいが、これくらい細かく描かれているということを理解して頂けただろうか。

 

やっぱ勇者はモテるね~と感じながらも、こういう人間関係も描いてくれるのがゼルダの伝説。

 

ファンタジー寄りの世界観で、そこにちょっとリアルな生活が存在する。全てファンタジーだと感情移入しにくいが、絶妙なリアルさが存在するため、感情移入する甲斐がある。

 

生活感が実感できるシステム

BotWはワイルドだと言ったが、これは嘘ではない。本当にワイルドなのだ。

 

武器は拾って使うのだが、武器には耐久値が存在する。これ、実はシリーズ初の試みなのだが、これが上手い感じにワイルド感を出してくれた。

 

壊れるタイミングは大体予測できるのだが、強力な装備が壊れてしまうと一気に戦力が落ちてしまう。だから、予備で強い装備を持っておくなど、ワイルドさが感じられる。

 

しかも、ゼルダの伝説ではお馴染みの回復アイテム「ハート」が、草を刈っても出てこなくなった。ツボを割っても出てこない。そう、なんとBotWにはハートというアイテム自体が存在しない。では、回復はどうやって行うのだろうか。

 

その方法は、マップの様々な所にいる「動物を狩る」。もしくは、キノコなどの「食べ物を見つける」の二択だ。ワイルドだろう。しかも、狩りでゲットした肉などの食べ物を、鍋で料理することが出来る。まさか、ゼルダの伝説が料理ゲーに!?

……なんてことはないが、料理をすることで食べられる物の種類はかなり豊富で、聞いただけでワイルドさを感じる「ケモノ肉丼」から、実際の生活でも馴染みのある「おにぎり」まで、アクションゲームの中で料理の世界を堪能できる。

 

ハートが出るのを祈って草を刈るのも面白かったが、自分で食べ物を見つけて回復するのもかなりアリだと感じる。楽しめればOKなのだから。

 

30分でクリアできる自由度

今までのゼルダの伝説は、全てのサブダンジョンをクリアしなければラスボスのいるダンジョンへ挑むことを許されなかった。が、BotWではあまりの自由度のため、上手くやれば30分ほどでクリアできる。

 

勿論RTAプレイヤーの記録だが、それでもクリアタイムが早すぎ。

 


 

これほどの早さでクリアできたのは、ある意味BotWの自由度の高さが証明されたことになる。まあ、それで本当に楽しめるのかは分からないが…。

 

続編に期待しながらも、広大なハイラルを満喫

そんなこんなで、『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』は

 

ワイルドなスタイリッシュアクションゲーム

 

ということが分かった。やっぱりシリーズ経験者の方が楽しめると思うが、未経験者(初心者)でも十分楽しめるゲームだ。Nintendo Switchを持っているのであれば、ぜひ一度でもハイラルのワイルドさを味わってくれると嬉しい。

 

そして、開発陣が掲げていた「ゼルダの当たり前を見直す」は、ほぼ全ての部分で達成できていた。これには文句の付けようがない。

 

さらに、なんとBotWの続編が開発されているとE3で発表された。早朝に続編が発表されたことを知ったので、朝から発狂しそうになった。


実は、直接「続編です」という発表があったのはBotWの続編が初のため、「時オカとムジュラの仮面」の様に、全くBotWと異なった遊び方が続編で実装されていると嬉しい。

 

*1:カプコンが制作しているアクションゲームシリーズ。バイオハザードシリーズとして作られたが、アクション性が強かったため独自のシリーズとして確立した。

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